北海道札幌市を拠点に、店舗建築や戸建などの地域に貢献する豊かな街づくりを手掛けている西岡建設です。
「毎日が残業、休日出勤も当たり前… 施工管理の仕事に疲れ果てていませんか?」
またそんな声をよく耳にしませんか?確かに、施工管理者は 建設現場の指揮官として重要な役割を担い、 多くの責任と業務負担を抱えています。しかし裏には 意外な魅力や働きやすさがあるのです。
本記事では、 施工管理の実態と共に「意外と楽」に働けるポイントをご紹介します。 きつい仕事のイメージを覆す、 新しい施工管理の姿を見ていきましょう。
施工管理が意外に楽と言われている4つの理由
「施工管理は大変」というイメージを持っている方は多いかもしれません。ですが、近年の働き方改革やデジタル化の進展により、施工管理の現場は着実に働きやすい環境へと変化しています。
実際、「思っていたよりも楽だった」「想像より負担が少ない」と感じる人も増えています。
ここでは、施工管理が意外に楽と言われている理由をデータとともに解説していきます。
働き方改革で労働環境が大幅に改善
週休2日実施や有休取得率アップ
- 週休2日実施工事:52.8%(前年比+12.4%)
- 時間外労働の上限規制遵守:73.5%
- 有給休暇取得率:平均56.8%(全産業平均62.1%)
国土交通省の調査によると、建設業界でも週休2日制を取り入れる現場や、有給休暇の取得率が上がってきています。従来は「休みづらい」「残業続き」といったイメージが強かった施工管理の現場ですが、制度的にしっかりと休める環境が整いつつあります。
フレックスタイム制やノー残業デーが増加
- 朝型勤務で夕方5時退社が可能
- 月1回のノー残業デーが定着
- 休日の事前計画を予定しやすくなった
会社によってはフレックスタイム制を導入し、家族やプライベートの時間を確保できるようにする動きも増えています。施工管理の仕事は現場ごとにスケジュールが違うため、「柔軟な働き方ができるのはありがたい」と感じる方が増えています。
給与水準が上がりやりがいも増大
- 建設業の平均年収:
2018年:503万円
2023年:545万円(+8.3%) - 初任給(大卒):
2018年:225,100円
2023年:248,700円(+10.5%)
施工管理職の需要が高まり給与や賞与が上がっていることで、仕事へのモチベーションが高まり、結果として「思っていたよりも負担感が少ない」という声も。金銭面で安定感があると、精神的にも余裕が出てきます。
デジタル技術の進歩で業務負担が軽減
書類作成時間の大幅削減
- BIM/CIMの導入:従来比65%削減
- 工事写真の自動仕分け:従来比80%削減
紙ベースで行っていた申請や報告書の作成も、クラウドツールや自動仕分けシステムの導入により効率化が進んでいます。深夜残業の原因だった「膨大な書類作業」から解放されることで、気持ちにも余裕が生まれます。
現場管理の効率化
- ドローン測量:測量時間が従来比85%減
- AIによる品質管理:検査時間が従来比50%減
- 遠隔臨場の活用:移動時間が月平均40時間減
人手や時間がかかっていた測量や品質検査もテクノロジーにより効率化。さらにはリモート管理が可能になり、移動時間も削減されるため、拘束時間が短くなるのは大きなメリットです。
やりがい」や達成感が大きい
施工管理の仕事は、図面通りに建物やインフラを完成させる重要なポジションです。自分が管理したプロジェクトが無事に完工し、社会や人々の暮らしに貢献している実感を得られるのは大きな喜び。
- チームワークが強い:現場スタッフや職人さんとの連携による達成感
- 完成物が目に見える:成果を実際に目の当たりにできる充実感
- 多彩なスキルが身につく:工程管理、品質管理、安全管理など幅広い知識を活かせる
「やりがいを感じるからこそ楽しく続けられる」という人が多いのも、施工管理が「意外と楽」と言われる理由のひとつです。
これらのデータが示すように、テクノロジーの進化と制度改革により、施工管理の現場は着実に働きやすい環境へと変化しています。
施工管理の仕事で活躍している人には、共通する特徴があります。以下の3つの特徴を意識して働くことで、仕事がより楽しく感じられるようになります。
施工管理のきつい6つのポイント
「きつい」、「大変」という声が絶えない施工管理の仕事。 でも本当にそうなのでしょうか?確かに、建設現場で品質とスケジュールを管理し、 安全を確保する施工管理は重要な責務を担っています。 完成時の達成感は格別で、自分が手がけた 建物が街に残る喜びは何物にも代えがたいものです。また長時間労働や精神的なストレスに悩む方も少なくありません。
それぞれについて見ていきましょう。
業務量とプレッシャーの日々
施工管理者の1日は、厳しい労働環境の連続です。具体的な業務スケジュールを見てみましょう。
典型的な 1 日のスケジュール
- 7:00 現場到着、安全パトロール
- 8:00 朝礼での作業指示、施工計画の確認
- 9:00-17:00 現場監督、品質チェック、各種打ち合わせ
- 17:00-20:00 書類作成、翌日の準備
主な業務負担
- 1 人あたりの管理現場数:平均 2〜3 現場
- 1 日の平均労働時間:10〜12 時間
- 月間残業時間:45〜80 時間
- 直接監督する作業員数:20〜30 名
日常的なストレス要因
- 工期遅延のリスク管理
- 予算超過の防止
- 安全事故の予防
- 天候不順への対応
- 近隣住民からのクレーム対応
これらの業務負担は、施工管理者の心身に大きな影響を与えています。業界データによると、施工管理者の約65%が強いストレスを感じており、40%以上が慢性的な疲労を抱えているとされています。
仕事が複雑・多岐にわたる大変さ
施工管理者は、工程管理・安全管理・品質保証を中心に、多岐にわたる業務をこなします。施工管理者の主な業務内容は以下の3つに大別されます。
工事の段取りと計画
- 週間・月間の施工計画立案
- 20-30社の協力会社との工程調整
- 数億円規模のコスト管理
現場の安全管理
- 毎朝15-20分の安全朝礼実施
- 週3回の安全パトロール(1回60分)
- 月20時間程度の安全書類作成
品質と工程の管理
- 施工図面の確認(1日2-3時間)
- 現場巡回と品質確認(1日3-4時間)
- 週1回の工程会議(2時間)
人間関係やトラブル対応による精神的負担
工期遅延や品質不良は深刻な問題につながるため、常に緊張感が伴います。
- 工期遅延のペナルティ
1日あたり契約金額の0.1%(5億円工事の場合、50万円)
発注者との信用問題に発展するリスク - 品質不良による手直し工事
コンクリートのクラック補修:1件30〜50万円
防水工事のやり直し:1件100万円以上
設備機器の交換:1件50〜200万円 - クレーム対応
騒音振動:週2〜3件(早朝作業時に増加)
粉塵:月3〜4件(解体・土工事時に集中)
交通障害:月2〜3件(資材搬入時に発生) - 緊急判断の発生頻度
安全管理:1日2〜3回
工程調整:1日3〜4回
品質確認:1日4〜5回
突発的なトラブルへの対応
予期せぬ問題への対応が日常的に発生し、迅速な対処が必要です。
- 天候不順による工程遅延:雨天中止:年間平均15日(特に躯体工事期間)
- 強風による作業中止:年間5〜7日(クレーン作業)
- 猛暑による作業時間短縮:夏季約20日
- 鉄筋材:納期2〜3週間遅延のケース多発
- 設備機器:世界的な半導体不足で2〜3ヶ月遅延
- 特注品:製作遅れで1ヶ月程度の遅延
- 労働者の急な欠勤:インフルエンザ流行期に数人欠勤
長時間労働の現状
建設業では、年間出勤日数が全産業と比べて12日多く、年間の実労働時間は全産業と比べて68時間長くなっています。建設業の年間実労働時間は2,056時間と、全産業平均の1,724時間より大幅に多い状況です。
特に繁忙期には月60時間超の残業が常態化している現場も少なくありません。
産業 | 平均年間実労働時間 |
---|---|
全産業 | 1,724時間 |
製造業 | 1,954時間 |
建設業 | 2,056時間 |
(産業別平均 年間実労働時間 出典:厚生労働省「所定内労働時間及び所定外労働時間の推移」)
休日取得の課題
建設業界における休日取得は深刻な課題となっています。完全週休2日制を導入している企業は建設業全体のわずか27.4%にとどまっており、全産業平均の49.0%と比べて大きく下回っています。
週休制度の導入状況 | 建設業 | 全産業平均 |
---|---|---|
完全週休2日制 | 27.4% | 49.0% |
週休1日制 | 35.6% | 28.5% |
その他 | 37.0% | 22.5% |
(週休制度 出典:厚生労働省「所定内労働時間及び所定外労働時間の推移」)
現場における休日の実態を見ると、4週6休以下で就業している現場が約65%を占めており、十分な休日確保が難しい状況が続いています。
休日取得状況 | 割合 |
---|---|
4週4休以下 | 35% |
4週5〜6休 | 30% |
4週7〜8休 | 25% |
4週8休以上 | 10% |
(休日取得状況 出典:厚生労働省「所定内労働時間及び所定外労働時間の推移」)
休日取得を阻む主な要因は以下のようになっています。
厳しい工期設定
工期遅延ペナルティの存在
予備日程の未設定
突発的なトラブル対応
天候不良による作業遅延
資材調達の遅れ
人手不足の影響
技術者充足率:約75%
一人当たりの管理現場数:平均 1.8現場
このように施工管理が意外と楽とは言い難いデータが見受けられます。それでもそう感じる人が一定いるのは事実です。企業やプロジェクトによって働き方・待遇・給与が全く異なる点が大きく影響しています。
施工管理を楽と感じやすい人の3つの特徴
「楽」と感じやすい人は、物事を重く受け止めずに、前向きな視点で課題や人間関係に向き合う傾向があります。トラブルや困難に直面しても、過度な不安やストレスに埋もれず、問題解決へと自然に目を向けることができます。その結果、仕事や生活の質が向上し、人間関係も円滑になるケースが多く見られます。
課題をポジティブに捉えられる
「楽」と感じやすい人は、課題をチャンスや学びの場として受け止めることが上手です。失敗や困難に遭遇しても、「これはスキルアップの機会だ」と前向きに捉え、改善策を見つけるために行動できます。こうした考え方は、結果的にストレスを軽減し、次の成功につなげる原動力となります。
柔軟な思考で臨機応変に対応できる
彼らは思考の幅が広く、固定観念に縛られず柔軟に対処できます。新しいアイデアや手段を取り入れることに抵抗がなく、必要に応じて計画や方針を修正することを厭いません。この柔軟性が、状況に応じて「楽」に行動できる余裕を生み出し、変化が多い現代社会で特に重宝されます。
周囲とのコミュニケーションが苦ではない
「楽」と感じやすい人は、良好なコミュニケーションを通じて周囲との関係をスムーズに構築します。相手の立場や感情を考え、共感的な対応を心がけることで、対人関係における摩擦を最小限に抑えます。その結果、トラブルが起きても、お互いが気持ちよく問題解決に向かいやすくなり、全体として「楽」と感じられる環境が整うのです。
働きやすい・ホワイト企業へ転職するための3つのポイント
高待遇な企業へ転職するためには、現状のスキルや経験を正確に見極め、必要な資格や知識を着実に身につけることが重要です。そのうえで、転職市場の相場を理解し、自分に合った企業を選定することで、納得のいく条件を引き出せます。以下でご紹介するプロセスを参考に、段階的な準備と実践を行うことで、より有利な条件での転職を目指しましょう!ャリアの棚卸し
最初に、これまでの経験やスキルを整理します。自分の強みや改善点を明確にすれば、転職活動全体の方針が立てやすくなります。
キャリアの棚卸し
最初に、これまでの経験やスキルを整理します。自分の強みや改善点を明確にすれば、転職活動全体の方針が立てやすくなります。
主なポイント
- 保有資格の整理:1級・2級施工管理技士(建設業で求められる管理能力を示す資格)など、取得済み資格をリスト化しましょう。
- 実績の数値化:担当した現場数や工事規模を数値で示します。たとえば、年間施工数、総工期、予算規模などを明確に記録すると、面接時に説得力が増します。
- 特殊工事・困難案件の実績一覧:特殊な工法や困難な条件下での工事経験は大きなアピール材料です。特異な経験は必ず整理しておきましょう。
転職活動の開始
準備が整ったら、実際に転職活動を開始します。エージェントの活用や効果的な職務経歴書の作成で、自分の市場価値を最大化しましょう。
- 転職エージェントへの登録(最低3社):複数のエージェントに登録することで、幅広い求人情報を入手できます。
- 職務経歴書の作成(2週間):実績やスキルを分かりやすくまとめ、読み手が短時間で強みを把握できるよう心がけましょう。
- 面接対策(オンライン練習3回):想定質問を事前にリハーサルすることで、当日のパフォーマンスを向上させます。
ホワイト企業選定のポイントまとめ
給与だけでなくワークライフバランスを考慮する場合は、企業の働きやすさを総合的に評価することが重要です。以下の要素を確認することで、長期的なキャリア形成に適した環境を見極めることができます。
休暇制度と実際の取得状況
- 完全週休2日制の実施状況:十分な休日が確保できるか、事前に確認しましょう。
- 平均残業時間(月45時間以下):健康的な働き方を維持できる労働環境を選ぶことが大切です。
- 資格手当・福利厚生の充実度:資格取得支援や社宅、保険などの制度が充実している企業は、キャリア形成を支えてくれます。
技術革新への投資
- BIM/CIMなどのデジタルツールの活用
- 業務効率化への取り組み
- 従業員の負担軽減施策
企業の健全性指標
- 離職率の業界平均との比較
- 給与水準の透明性
- 福利厚生の充実度
まとめ
一昔前までの「長時間労働」「休みが取れない」というイメージから、ここ数年で大きく改善が進んでいるのが施工管理の現場です。働き方改革やデジタル技術の進歩、給与面の向上など、さまざまな追い風が吹いており、未経験者や若手でもチャレンジしやすい環境になっています。
「意外と楽」という声が増えている背景には、現場の負担が減っただけでなく、やりがいや達成感も感じられるという点が大きいでしょう。もし施工管理の仕事を検討しているなら、今がチャンスかもしれません。ぜひ最新の情報をチェックしながら、自分に合った働き方を見つけてみてください。
転職を通じて、新しい職場環境や働き方に出会えば、日々感じていた施工管理の重圧が驚くほど和らぐ可能性があります。テクノロジーの進化による業務効率化や、働き方改革が進む企業を選ぶことで、「よりホワイト」で「意外と楽」な働き方が実現できるでしょう。